BCAAは
ダイエット効果あり?
BCAAはダイエット効果あり?
運動なしでも脂肪燃焼できるのかを解説!
BCAAとは、筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸の一種です。その有用性から「BCAAは運動なしでも筋肉増強や脂肪燃焼の効果が期待できるのか?」と気になる方もいるかと思います。
この記事では、BCAAの役割、プロテインとの違い、ダイエットへの影響、おすすめの摂取タイミングについて詳しく解説します。BCAAをプロテインと組み合わせる際の注意点も解説しますので、ダイエットに役立てたい方は、ぜひ参考にしてください。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)とは?
BCAAとは、Branched Chain Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)の略で、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つのアミノ酸の総称です。これら3つのアミノ酸は、人の体内では生成されないため、食事やサプリメント等で摂取する必要がある必須アミノ酸に含まれます。BCAAは、筋肉を構成する必須アミノ酸の約40%を占め、筋肉のエネルギー源となります。
プロテインとの違い
プロテインは吸収が緩やかなのに対して、BCAAは血中への吸収が速いという違いがあります。プロテインとは、タンパク質そのものであるため、体内でペプチドに分解、さらにアミノ酸へと分解されてから吸収されます。一方で、BCAAはアミノ酸そのものであり、体内での分解が不要なため血中への吸収が速いという特徴があります。
EAAとの違い
EAAとは、Essential Amino Acid(必須アミノ酸)の略で、体内で合成できない9種類のアミノ酸の総称です。一方、BCAAはEAAの一部であるバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類のみを指しています。9種類の必須アミノ酸をバランス良く摂取したい人はEAAを、筋肉の合成や運動時のエネルギー供給を重視したい人はBCAAと、使い分けることができます。
BCAAが含まれる食材
体内で生成されない必須アミノ酸であるBCAAは、食事やサプリメントから摂取する必要があります。主にマグロやサバ、肉類に多く含まれます。以下、BCAAが含まれる食材を表にまとめましたので、参考にしてみてください。
<BCAAが含まれる食品例一覧>
食品名 (100g) |
バリン (mg) |
ロイシン (mg) |
イソロイシン (mg) |
BCAA (mg) |
---|---|---|---|---|
マグロ | 1200 | 1700 | 1100 | 4000 |
サバ | 1100 | 1600 | 930 | 3630 |
鶏肉(ムネ) | 1200 | 1900 | 1100 | 4200 |
鶏肉(モモ) | 1100 | 1700 | 1000 | 3800 |
豚肉(ヒレ) | 1100 | 1800 | 1000 | 3900 |
豚肉(モモ) | 1000 | 1700 | 950 | 3650 |
牛肉(モモ) | 1000 | 1700 | 940 | 3640 |
卵(1個) | 380 | 500 | 305 | 1185 |
牛乳 | 200 | 320 | 170 | 690 |
チーズ | 1600 | 2300 | 1200 | 5100 |
※参考:食品成分データベース|文部科学省
健康な成人がBCAAを1日2000mg以上摂取した場合、血中内BCAA濃度は30分後にピークになります。摂取後2時間経過しても摂取する前より高い値を維持している、というデータが示されています。BCAAの効果を期待するのであれば、1日2000mg以上を目安に摂取すると良いでしょう。下記に、BCAAを2000mg摂取するために必要な食材の量もまとめましたので参考にしてください。
<BCAAを1日に2000mg摂取可能な食品例一覧>
食品名 | 必要量 |
---|---|
マグロ | マグロのさしみ、5~6切れ |
サバ | 半身で150~200g、半身の半分程度 |
鶏肉(ムネ) | 50~60g程度 |
鶏肉(モモ) | 70~80g程度 |
豚肉(ヒレ) | 60~70g程度 |
豚肉(モモ) | 70~80g程度 |
牛肉(モモ) | 70~80g程度 |
卵 | ゆで卵2個 |
牛乳 | コップ1杯 |
チーズ | 6Pチーズ10個 |
※参考:食品成分データベース|文部科学省
BCAAは主に動物性タンパク質に多く含まれます。乳・卵アレルギーの人や、不規則な食生活で栄養素が偏ってしまう人は、サプリメントでの摂取を検討してみるのも1つの方法です。
BCAAで期待できる有用性(効果)
ダイエットをする際にBCAAを摂取することで、筋肉の合成に必要なアミノ酸が補給できるでしょう。またBCAAは運動と組み合わせることで脂肪燃焼を促進する成長ホルモンへの関与が期待できます。
ダイエットの成功には筋肉量の維持や増加が大切です。筋肉量は基礎代謝量の増減に関係しており、基礎代謝量が低下すると体内の消費カロリーが低下し、ダイエット効率に影響が出てしまいます。
運動をして効率良く消費カロリーを増やすためにも、筋肉へのエネルギー供給が必要です。BCAAは筋肉量の維持や増加、運動する時の筋肉のエネルギー源となります。また、BCAAには食欲を抑える働きもあるため、意識的にBCAAを多く含む食品やサプリメントを摂取することで、ダイエットをサポートする効果が期待できるでしょう。
BCAAを飲むだけでダイエットは可能?
結論、BCAAを飲むだけでは、ダイエットの効果は期待できないでしょう。BCAAは、直接的な脂肪燃焼の効果は確認されていません。しかし、筋肉の合成や運動時のエネルギー供給への関与は示されています。そのため、適度な運動と組み合わせて摂取することで、ダイエット効率を高める効果が期待できます。
BCAAをダイエットに取り入れる際の注意点
BCAAをダイエットに取り入れる際の注意点を解説します。目的に応じた摂取タイミングやプロテインとの組み合わせなど、しっかりと確認し適切なタイミングで取り入れてみましょう。
目的に適したタイミングで摂取する
BCAAをダイエットに取り入れる際、目的に合わせて摂取タイミングを変えていくことが大切です。BCAA摂取後の血中BCAA濃度は、30分後をピークに徐々に低下していきます。そのため、激しい運動で運動効率を上げたい場合は、運動30分前のBCAA摂取が適しています。血中BCAA濃度がピークになるタイミングに合わせて摂取することで、筋肉へのエネルギー供給や運動時のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
そのほか、筋肉量を増やしたい場合は、運動後できるだけ早い段階でBCAAを摂取するのが適しています。筋肉内のBCAAが消費されると、タンパク質の分解、つまり筋肉の分解につながってしまいます。運動後の早い段階でBCAAを摂取し、エネルギーを補給させましょう。
プロテインとの組み合わせに注意
BCAAとプロテインは同時に飲むことはおすすめできません。理由は、血中への吸収速度に差があるためです。BCAAとプロテインにはそれぞれ摂取するのに適切なタイミングがあります。
BCAAは吸収スピードが早いため、運動前や運動中、運動の30分後などこまめな摂取が適しています。ただし、BCAAの大量摂取は、下痢を引き起こす可能性があるため注意が必要です。一方で、プロテインは摂取後ゆっくり時間をかけて吸収されます。そのため、プロテインは運動後や就寝前などに摂取するほうが効率的だといえるでしょう。
プロテインとBCAAを組み合わせて取り入れる場合は、目的に合わせて摂取するタイミングをずらすなど調整することでダイエットの効果が期待できます。
まとめ
BCAAの役割とプロテインとの違い、ダイエット効果、目的に合わせた摂取タイミングについて解説しました。BCAAを摂取するだけではダイエット効果が期待できません。BCAAは、運動と組み合わせることでダイエットへの効果が期待できます。BCAAは体内への吸収スピードが早いため、目的に合わせたタイミングで摂取すると効率的です。BCAAの有用性について正しく理解し、ダイエットや理想の体づくりにお役立てください。
本記事の監修者
医学博士・永田孝行
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会
公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/