プロテインは
お湯に溶かしても良い?
プロテインはお湯に溶かしても良い?
効果への影響や注意点を解説
「プロテインを温めて飲みたい」とお湯に溶かそうと考えているものの、効果が低下したり飲みづらくなったりしないか不安に感じる方も多いでしょう。この記事では、プロテインはお湯に溶かしても問題ないのか、そのメリットやデメリット、注意点などについて詳しく解説します。
プロテインはお湯やホットミルクに溶かしても良い?
プロテインは、人肌程度の温度であれば温めても問題ありません。同じく、温かい飲料に溶かす場合も人肌程度の温度に留めれば、品質に影響なく作ることができます。ここでは、電子レンジと電気ポットを使ったプロテインの温め方を見ていきましょう。
<電子レンジの場合>
適量の水や牛乳をプロテインに加えます。プロテインは通常、1杯の分量に対して150〜300mlの飲料を使って溶かしますが、好みに合わせて調整しましょう。コップにフタをつけるかラップをかけ、しっかりと密封して電子レンジに入れてください。これにより、温める過程でプロテインがこぼれるのを防ぎます。電子レンジの出力を低めに設定し、温度が約60℃になるように加熱します。ワット数や電子レンジのタイプ、コップの種類や厚みなどで時間が異なるため、まずは20秒加熱して10秒ずつ追加で加熱すると良いでしょう。
<電気ポットの場合>
電気ポットの設定温度を60℃程度にして温め、コップやシェイカーに注いでプロテインを溶かしましょう。混ぜながらお湯を注ぐことで、ダマになりにくくなります。
プロテインを温めるメリット
プロテインは常温で飲むことが一般的ですが、あえて温めて飲む人も少なくありません。それだけ、プロテインを温めることにはメリットがあるためです。プロテインを温めて飲むメリットについて詳しく解説します。
体が冷えるのを軽減できる
寒い部屋で冷たいドリンクを飲んで、体がさらに冷えてしまった経験がある方も多いでしょう。体温が下がると、基礎代謝も低下し、痩せにくくなったり筋肉の増強ペースが落ちたりする恐れがあります。プロテインを温めて飲むことで体が温まるので、トレーニング効果を発揮しやすくなるでしょう。
胃腸の不快感が少ない
冷たい飲み物や食品を摂ると、胃腸への負担が増加することがあります。温かいプロテインを摂ることで、胃腸に対する負担が軽減され、消化がスムーズに行われます。また、胃の血流が改善されることで胃の不快感や胃もたれの軽減につながるでしょう。
プロテインを温めるデメリット
プロテインを温めることには、いくつかのデメリットがあります。次のデメリットを理解したうえで、温めて飲むかどうか判断しましょう。
タンパク質の熱変性
タンパク質は、熱を加えると熱変性と呼ばれる現象が起きることがあります。熱変性とは、タンパク質の分子構造が変わることです。例えば、卵を茹でると白身と黄身が固まり、見た目や食感などが変化します。
プロテインも同様に熱変成が生じ、飲みやすさに影響が出ることがあります。プロテインが変性する温度は次のとおりです。
- ホエイプロテイン……約80℃
- ソイプロテイン……約100℃以上
- カゼインプロテイン……約100℃以上
ダマができやすい
プロテインは温かい液体に溶かす場合、ダマができやすくなる傾向があります。ダマができると、飲む際に不快感を感じることもあるかもしれません。また、コップの底に塊が残ってしまい、必要量を摂取できなくなることも考えられます。
味が変化する
柑橘系やベリー系のように酸味ある風味のプロテインを温かい液体で摂ると、酸味がより強く感じられることがあります。ただし、酸味がしっかり効いた味が好みの人もいるため、必ずしも飲みづらくなるとは限りません。温かい飲み物に溶かすのであれば、コーヒー味やココア味、カフェオレ味などがおすすめです。
同じ味のプロテインを長期間にわたり飲み続けることに耐えられない方もいます。さまざまな味のプロテインを試してみるのも良いでしょう。
シェーカーが破損するリスク
プロテインを温める際にシェーカーを使用する場合、高温になることでシェーカーが破損する恐れがあります。シェーカーは一般的に耐熱性が低く、高温の液体を入れると変形したり損傷したりすることが少なくありません。
プロテインを温める際に電子レンジや電気ポットを使用する場合、適切な温度設定を選ぶことが大切です。高温に設定するとシェーカーが熱くなり、変形や破損のリスクが高まります。ただし、シェーカーの素材によって耐熱性が異なります。プロテインを温める際には、シェーカーが何度まで耐えられるのかを確認しましょう。
プロテインによるお腹の不快感を軽減する方法
プロテインを飲んだ後にお腹に不快感が生じる場合は、温度や成分に注目しましょう。お腹の不快感を抑える方法について詳しく解説します。
常温の水で飲む
冷たい液体や冷たいプロテインは、胃に対して刺激となり、一部の人は胃腸の不快感を引き起こすことがあります。常温の水を使用することで胃に優しくなり、お腹の不快感を軽減できます。また、常温の水は消化器官に負担をかけず、食物や栄養素の効率的な消化をサポートします。
乳糖が少ないプロテインを選ぶ
乳糖不耐症といって、乳糖を分解する酵素が不足しているために、乳糖を含む飲食物を摂ると腹痛や下痢などが起きる人がいます。乳糖不耐症の疑いがある人は、牛乳由来の食品やプロテインを摂取すると消化不良や腹痛などの症状が現れることがあります。
ホエイプロテインとカゼインプロテインには乳糖が含まれているため、植物由来のソイプロテインがおすすめです。
腸内環境を整える
プロテインを飲んだ後にお腹の不快感がある場合は、腸内環境が乱れている可能性があります。野菜、肉、魚、果物などをバランス良く取り入れた食事を心がけて、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を積極的に食べることで、腸内環境改善を期待できます。また、水分不足は便秘の原因になるため、トレーニングの前後は水分を必ず摂ることが大切です。ただし、一度に多量の水を摂取しても余分な水分が排出されてしまうため、こまめに飲むことをおすすめします。
なお、プロテインの過剰摂取は腸内環境に悪影響を与えて便秘や下痢を招くことがあります。適量の摂取を心がけるとともに、栄養バランスのとれた食事を継続しましょう。
まとめ
プロテインは健康的な身体づくりに役立ちますが、冷たい水やスポーツドリンク、牛乳などで溶かすと胃腸への負担が大きくなり、腹痛や下痢を起こしてしまうこともあります。対策として常温の飲み物に溶かすことが有効ですが、温かくして飲みたい場合にも記事の注意点をふまえて準備すれば可能です。やり方を間違えるとせっかくのプロテインの効果が十分に発揮されないこともあるため、正しい知識を身につけて日々の身体づくりにプロテインを取り入れてみてください。
本記事の監修者
医学博士・永田孝行
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会
公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/