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プロテインの1回の量は
どれくらい?

プロテインの1回の量はどれくらい?
適切な摂取量や効率的な飲み方を解説

プロテインは、筋トレによる体づくりを目指している人が取り入れたい栄養補助食品です。しかし「プロテインは1回にどれくらいの量を飲めば良いの?」「プロテインを飲むタイミングはいつが良い?」などの疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、プロテインの適切な摂取量や効率的な摂取方法などを詳しく解説します。

プロテインに期待できる効果とは?

プロテインとは「タンパク質」を意味する英語ですが、日本ではタンパク質を含む栄養補助食品の総称として使用されるのが一般的です。プロテインは、粉末タイプの製品が多く、シェイカーを使用して水や牛乳に溶かして摂取します。

プロテインの主成分であるタンパク質は、筋肉の構成成分の1つであり、運動時のエネルギー源にもなる栄養素です。タンパク質は、肉や魚、卵、豆類に含まれているため食事でも摂取できます。しかし、十分なタンパク質を食事のみで摂取しようと思うと、日々の食材選びや調理法などを細かく意識する必要があります。プロテインを取り入れると、体づくりに必要なタンパク質を、手軽にかつ効率的に摂取することが可能になるのです。

プロテインの適切な摂取量

健康的な体づくりのためには、1日にどのくらいの量のプロテインを摂取するのが適しているのでしょうか?ここでは、1回に飲む量の目安と1日あたりの摂取量の目安について、詳しく解説します。

1回に飲む量

プロテインの1回量の目安は製品ごとに異なりますが、20~30g前後が一般的です。1回の目安量をコップ1杯程度(200mL前後)の水、または牛乳で溶かして摂取します。

1日あたりの摂取量

1回あたりのプロテインの摂取目安量は製品ごとに決められています。しかし、1日あたりのプロテインの適切な摂取量を把握するためには、自分に必要なタンパク質の量を理解することが大切です。

タンパク質の摂取量は、年齢や性別、身体活動レベルによって異なります。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省」では、以下のようにタンパク質の目標量が定められています。

表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量(g/日)(非妊婦、非授乳婦)

男性 女性
身体活動レベル
1~2(歳) 31~48 29~45
3~5(歳) 42~65 39~60
6~7(歳) 44~68 49~75 55~85 41~63 46~70 52~80
8~9(歳) 52~80 60~93 67~103 47~73 55~85 62~95
10~11(歳) 63~98 72~110 80~123 60~93 68~105 76~118
12~14(歳) 75~115 85~130 94~145 68~105 78~120 86~133
15~17(歳) 81~125 91~140 102~158 67~103 75~115 83~128
18~29(歳) 75~115 86~133 99~153 57~88 65~100 75~115
30~49(歳) 75~115 88~135 99~153 57~88 67~103 76~118
50~64(歳) 77~110 91~130 103~148 58~83 68~98 79~113
65~74(歳) 77~103 90~120 103~138 58~78 69~93 79~105
75以上(歳) 68~90 79~105 53~70 62~83

「身体活動レベルごとの日常生活」の内容は、以下の通りです。

  • 身体活動レベルⅠ(低い):生活の大部分が座位で、静的な活動が中心である
  • 身体活動レベルⅡ(普通):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での徒歩、家事、軽いスポーツのいずれかを含む
  • 身体活動レベルⅢ(高い):移動や立位の多い仕事の従事者、あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣を持っている

例えば、筋トレなどを習慣化している身体活動レベルⅢの30~49歳男性の場合、1日あたりのタンパク質の摂取目標量は「99~153g」になります。ただし、この摂取目標量は、食事とプロテインそれぞれに含まれるタンパク質の総量として計算する必要があります。

身体活動レベルⅢの30~49歳男性を例に、食事とプロテインを組み合わせた場合の、タンパク質の摂取量の例を紹介します。

食事によるタンパク質量 プロテイン摂取による
タンパク質量
朝食 25g 20g
昼食 30g
トレーニング後 20g
夕食 30g
合計 125g

朝食時とトレーニング後にプロテイン(タンパク質量20g)を摂取し、毎食でも25~30gのタンパク質量の摂取を目標とすると、1日のタンパク質摂取量は125gとなり、身体活動レベルⅢの30~49歳男性のタンパク質摂取目標量の範囲内となります。

このように、プロテインの1日あたりの摂取量は一概にはいえないため、年齢や性別、身体活動レベルごとのタンパク質摂取目標量から計算して自分に適した摂取量を把握しましょう。

プロテインを摂取するタイミングは?

筋トレによる体づくりを目指している人にとっては、プロテインを摂取するタイミングも気になるポイントです。そこでここからは、プロテインを摂取するおすすめのタイミングを紹介します。

運動後

体内での筋タンパクの合成は、運動中は抑制され、運動後に増加することがわかっています。そのため、プロテインを摂取するのは、運動後がおすすめです。また、運動後の筋タンパクの合成促進は、直後から2日程度継続します。ただし、筋トレ直後のプロテイン摂取と2時間後のプロテイン摂取を比較した研究では「直後にプロテインを摂取したほうが筋肉量の増大が見られた」という報告もあります。

そのため、筋トレの効果をより高めたい場合は、トレーニング直後にプロテインを摂取するのが良いでしょう。プロテインの摂取に適したタイミングを逃さないためにも「計量したプロテインを入れたシェイカーを、ジムに持参する」といった準備をしておくのがおすすめです。

朝食時

筋肉量の増加を目指すのであれば、朝食時のプロテイン摂取もおすすめです。朝と夜のタンパク質(ガゼイン)摂取と筋肉量の増加について調べた研究では「タンパク質を朝摂取するほうが、筋肉量の増加が見られた」という報告がされています。この結果には、体内時計の働きが影響していることが示唆されていますが、詳細なメカニズムは解明されていません。

忙しい朝は食事で十分な栄養を取れない場合もあるため、プロテインでタンパク質を補うのも有効な方法といえるでしょう。

プロテインを摂取する際の注意点

手軽で効率的にタンパク質を摂取できるプロテインですが、プロテインを摂取する際には事前に理解しておくべき注意点もあります。

まずはバランスの良い食事を心がける

タンパク質は、日々の食事からも摂取できる栄養素です。そのため、プロテインでタンパク質を補うことを考える前に、まずは日々の食生活を見直し、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。栄養バランスの良い食事を考える際は「食事バランスガイド」を参考に、主食・主菜・副菜・牛乳・乳製品・果物をバランスよく取り入れます。そのうえで、トレーニングや運動を習慣化している人は、不足するタンパク質をプロテインで上手に補いましょう。

<栄養バランスの良い食事の例>

  • 朝食:ごはん、目玉焼き、かぼちゃの味噌汁、ヨーグルト、リンゴ
  • 昼食:ごはん、魚の竜田揚げ こふき芋添え、いろいろ野菜の炒めなます、牛乳、みかん
  • 夕食:ごはん、豚肉のしょうが焼き キャベツ添え、レタスときゅうりのサラダ、わかめとかいわれ大根のスープ

過剰な摂取は体脂肪の蓄積につながる可能性も

タンパク質は、運動時のエネルギー源となり、また筋肉の構成成分にもなる栄養素ですが、過剰に摂取してしまうと消費されない分が体脂肪として蓄積されることもあります。そのため、製品ごとの目安量や自分に適したタンパク質の摂取目標量を把握したうえで、適切な量を取り入れることが重要です。

よくある質問

ここからは、プロテインの摂取量に関するよくある質問について、Q&A形式で解説します。

プロテインは一度にまとめて摂取をしても良いですか?

プロテインに含まれるタンパク質を効率的に取り入れるためには、一度にまとめて摂取するのではなく、製品ごとに決められた1回の目安量ごとに、複数回に分けて摂取するのが理想的です。

トレーニングをしない日もプロテインを摂取したほうがいいですか?

体内での筋タンパクの合成は、トレーニング直後から約2日間継続します。そのため、日ごろからトレーニングを習慣化している人であれば、トレーニングをしていない日でも1日1~2回を目安に、プロテインを摂取するのが望ましいでしょう。ただし、過剰なプロテインの摂取は、体脂肪の増加につながる可能性もあります。長期的にトレーニングを中止するなど、運動量が低下する場合は、必要なタンパク質量を見直すことが大切です。

まとめ

プロテインの1回の目安量は、製品ごとに決められています。また、プロテインの1日の摂取量は、年齢や性別、身体活動レベルごとのタンパク質の目標摂取量をもとに、食事によるタンパク質の摂取量を加味して調整することが大切です。ただし、健康的な体づくりのためには、バランスの良い食事が基本になります。食事バランスを意識したうえで、プロテインを上手に活用し、理想の体づくりを目指しましょう。

本記事の監修者

医学博士・永田孝行

一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士

生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

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