プロテインは
何回飲むのがよい?
プロテインは何回飲むのがよい?
プロテインのメリットを紹介
タンパク質を手軽に摂取できるプロテインには、健康や美容にうれしいさまざまなメリットがあります。一方でプロテインは一日何回ぐらい飲むのがいいのか、気になる方もいるのではないでしょうか。今回はプロテインを摂取するメリットや、自分にとって適正な摂取量を知る方法について紹介します。プロテインを飲むベストなタイミングについても解説しているので、プロテインをより効果的に活用するのに役立ててみてください。
プロテインの種類と選び方
プロテインは、主に「ホエイプロテイン」「ソイプロテイン」「カゼインプロテイン」の3種類に分けられます。それぞれの違いをまとめると、以下のとおりです。
プロテインの種類 | ホエイプロテイン | ソイプロテイン | カゼインプロテイン |
---|---|---|---|
原料 | 牛乳 | 大豆 | 牛乳 |
タンパク質 | 動物性タンパク質 | 植物性タンパク質 | 動物性タンパク質 |
吸収スピード | 早い | ゆっくり | ゆっくり |
抽出方法 | チーズを作るときに残る上澄み(ホエイ)から抽出 | 大豆のタンパク質を精製し、粉末化 | 牛乳からホエイと脂質を取り除いた残りの部分から抽出 |
特徴 |
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ホエイプロテインは吸収スピードが速いため、トレーニング直後のタンパク質補給に適しています。ホエイプロテインは筋タンパク質(筋肉を構成するタンパク質)の合成効果がとりわけ高いという調査結果もあるため、ボディメイクを頑張る方におすすめです。
大豆由来のソイプロテインには、女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれ、女性にとってうれしい効果を期待できます。ホエイプロテインと比べると消化吸収スピードがゆっくりなため、就寝前に摂取すれば寝ている間に筋肉の疲労回復を促せるでしょう。
カゼインプロテインも、ソイプロテイン同様ゆるやかに消化吸収されるのが特徴です。こちらは動物性タンパク質なので、植物性タンパク質と比べて筋肉作りに重要な「BCAA」が豊富。腹持ちが良いので筋力アップはもちろん、ダイエットにも適しています。
プロテインの適切な摂取量を知るには?
日本人はそもそもタンパク質の摂取量が不足しがちなため、プロテインをこまめに摂取してもそれほど問題はありません。まずは、体調に合わせて1日3杯を目安にしてみるとよいでしょう。
より具体的な摂取量を知りたい場合は、まず自分の体にはどのくらいのタンパク質が必要なのかを計算する必要があります。また、プロテインの種類によって含まれる栄養素は違うので、自分に合ったベストなプロテインを見つけて、適切な量を摂取するように心がけましょう。
1.自分に必要なタンパク質量を知る
タンパク質の1日の目標摂取量は「日本人の食事摂取基準」で定められています。年代別、男女別になっているため、あくまで目安となりますが、表を参考に、自分が目指すべき1日のタンパク質量を知っておきましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10~11歳 | 72~110g | 68~105g |
12~14歳 | 85~130g | 78~120g |
15~17歳 | 91~140g | 75~115g |
18~29歳 | 86~133g | 65~100g |
30~49歳 | 88~135g | 67~103g |
50~64歳 | 91~130g | 68~98g |
65~74歳 | 90~120g | 69~93g |
75歳以上 | 79~105g | 62~83g |
※身体活動レベルは中程度。妊婦・授乳婦を含まない。
2.プロテインのタンパク質含有量を調べる
タンパク質の含有量やカロリーは、プロテインの種類や製品によって大きく異なります。たとえばXS™のホエイプロテインでは、栄養素の含有量は次のとおりです。
プロテイン(ホエイ)の栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 120kcal |
タンパク質 | 20.6g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 5.4g |
食塩相当量 | 0.16g |
ビタミンD | 12.5µg |
カルシウム | 460mg |
HMBカルシウム | 1500mg |
※XS™ホエイプロテイン1回分 (31g) 当り
たとえば、身体活動レベルが中程度の18~49歳までの女性の場合、タンパク質の目標摂取量は1日65g前後です。仮にプロテインのみでタンパク質を補給したとしても、1日3杯飲めば目標摂取量に届くことが分かります。しかし、実際には食事からもタンパク質を摂取しているので、体調を見ながら量を調整してもよいでしょう。プロテインにもカロリーはあるので、あまりに飲みすぎるとカロリーオーバーにつながる可能性もあります。
ただし、プロテインを摂取する目的や身体活動レベルによっては、さらに多くのタンパク質が必要です。まずは、自分の目標摂取量を設定して、普段の食事とプロテイン、両方で摂取するタンパク質やカロリーを考慮に入れましょう。
プロテインを摂取するメリット
プロテインにはたくさんのメリットがあります。プロテインを摂取するおもなメリットは次の3つです。
不足しがちな栄養素を手軽に補える
ダイエットや偏食などの影響で、1日に必要なタンパク質が摂取できていない人もいるでしょう。毎食のメニューにタンパク質を取り入れるとコストがかさんだり、料理する手間がかかったりなど、忙しい毎日を送る人にとっては難しいと感じるかもしれません。しかし、プロテインなら粉末を水や牛乳、豆乳などで割って飲むだけで不足しているタンパク質を手軽に摂取できます。プレーンタイプのプロテインは料理にも活用できるほか、甘みのあるプロテインはスイーツメニューに加えてタンパク質の摂取量を増やすことも可能です。
脂質の摂取量を抑えながらタンパク質が摂取できる
肉類には動物性タンパク質が豊富に含まれていますが、1日に必要な量のタンパク質を肉類だけで摂取しようとすると脂質やカロリーが増えてしまいがちです。たとえば1日に60gのタンパク質を摂取する目標を立てたとして、タンパク質が豊富な鶏肉とプロテインを比較すると、含まれる脂質やエネルギーの量には大きな差が出ます。
プロテイン(ホエイ) | 鶏肉(モモ、皮付き) | |
---|---|---|
摂取量 | 3杯(1回分 (31g) ×3) | 350g |
エネルギー | 360kcal | 819kcal |
タンパク質 | 61.8g | 60.55g |
脂質 | 5.1g | 66.85g |
炭水化物 | 16.2g | ー |
食塩相当量 | 0.48g | 0.35g |
※参考:食品成分データベース|文部科学省
鶏肉は炭水化物が含まれないものの、60gのタンパク質を摂取しようとすると高カロリー、高脂質となってしまいます。また、350gの鶏肉はおよそ鶏肉1枚分に当たるため、1日で鶏肉を1枚摂取するのもなかなか難しいでしょう。
健康的な肌や髪、爪を目指せる
タンパク質は体づくりだけでなく肌や髪、爪を作るためにも役立っています。肌トラブルが起きたとき、スキンケアを強化したり、サプリメントを飲んだりする人も多いでしょう。しかし、タンパク質が不足していると、いくらスキンケアに力を入れたりサプリを飲んだりしてもなかなか効果を実感できない可能性があります。タンパク質は人体において水に次いで多くを占める栄養素なので、健康的な体や見た目作りのためにも積極的にプロテインを取り入れるのも一つの方法です。
プロテインを飲むベストなタイミング
プロテインを飲むベストなタイミングは運動前や運動後だけではありません。特におすすめなのが、栄養が枯渇しがちな「朝」の摂取です。寝ている間に消費されたタンパク質を手軽に摂取できるので、忙しい朝にもぴったりです。
朝や運動前後などプロテインを飲むのに適しているタイミングと、おすすめのプロテインの種類について、以下で詳しく紹介します。
寝起き(朝)
寝ている時間は1日のなかでも長時間にわたって栄養を摂取できないタイミングに当たるので、寝起きは栄養素が不足していることが多いと言われています。ホエイプロテインは吸収のスピードが早いので、普段の朝食に組み合わせて寝起きの栄養摂取をするのにおすすめです。お昼までにお腹がすぐ空いてしまう人は、腹持ちが良いソイプロテインやカゼインプロテインを摂取するのも一つの方法です。
運動前・運動後
運動前にプロテインを摂取すると運動中のエネルギーとして使われ、運動後に摂取すると疲労の回復に役立つと言われています。すぐに使う栄養素を補給したいときは、吸収スピードが早いホエイプロテインがおすすめです。
寝る前
寝起きに栄養素が不足している状態を防ぐため、寝る前にプロテインを摂取するのも一つの方法です。寝ている間に栄養が不足すると体のタンパク質が使われる可能性があります。寝る前に摂取するなら、寝ている間にゆっくりと体に吸収されるカゼインプロテインがおすすめです。
自分に必要なタンパク質の量を知っておこう
プロテインには、美容や健康にうれしいさまざまな効果を期待できます。脂質を抑えながらタンパク質を手軽に摂取できるので、トレーニーには必須アイテムといえるでしょう。ただし、体に必要なタンパク質量は、プロテインを摂取する目的や身体活動レベル、年齢などによって異なります。自分に適切なタンパク質量を計算して、プロテインをベストなタイミングで取り入れてみてください。
本記事の監修者
医学博士・永田孝行
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会
公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/