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プロテインは運動前・運動後
どちらがおすすめ?

プロテインは運動前・運動後どちらがおすすめ?
種類別の効果的な摂り方を解説!

筋トレやダイエット、普段の食生活でプロテインを摂取している人は少なくありません。とはいえ「プロテインは運動前と運動後どちらが良い?」「運動していない人はいつ飲めば良い?」と悩む人は多いのではないでしょうか。この記事では、運動前・運動後どちらに飲むのか、プロテインの種類別に適した摂取タイミングを解説します。摂取量の目安や注意点もお伝えするので、ダイエットや健康維持に役立てたい方、ぜひ参考にしてください。

プロテインを飲むのは運動前?運動後?

プロテインを飲む理想のタイミングはいつが良いのか、詳しく見ていきましょう。

運動後30分以内がベスト

プロテインの摂取は、運動後30分以内がベストだとされています。国際スポーツ栄養学会の研究によると、プロテインを運動直後に摂取した被験者では、運動後の筋肉痛が大幅に軽減したとの報告があります。また、運動直後に摂取することが、筋肉量の増加や運動後の回復に有効だとも述べられています。

運動後、プロテインと糖質の同時摂取も、筋たんぱく合成の増加に有利という報告もあります。運動後は、プロテインだけでなく、糖質を合わせて摂取するのも有効だといえるでしょう。

プロテインの吸収時間について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

運動前・運動中や朝・睡眠前も効果的

国際スポーツ栄養学会では、筋肉の損傷を最小限に抑えるために運動前・中にもタンパク質の摂取を推奨しています。

その一方で、早稲田大学の研究では、タンパク質摂取の割合が夜に比べて朝食時のほうが多い場合、筋肉量を増加させる効果が期待できると発表しています。そのため、運動の直前でなく、朝食時のプロテイン摂取でも筋肉量増加を促す効果が期待できるでしょう。

また、睡眠前にタンパク質を摂取すると、就寝中の筋肉のタンパク質合成と代謝率が向上すると示されています。そのため、睡眠前のプロテイン摂取も体づくりに役立つでしょう。

運動しない人もプロテインは必要?

タンパク質は、髪や血管の材料になる必須の栄養素です。そのため、プロテインは運動しない人にとっても、健康的な生活やダイエットに役立つでしょう。プロテインの中でも、カゼインプロテインは比較的腹持ちが良いとされています。朝食やおやつの代わりにカゼインプロテインを飲むことで、1日に摂取するカロリーを控える効果が期待できます。

種類別プロテインの摂取タイミング

プロテインは主に以下の3種類に分けられ、それぞれ吸収速度や特徴が異なります。

プロテインの種類 原料 吸収速度 おすすめの
飲むタイミング
特徴
ホエイプロテイン 乳清(動物性タンパク質) 早い 運動前後
  • 消化と吸収が早い
  • 運動している方におすすめ
カゼインプロテイン 生乳(動物性タンパク質) ゆっくり 朝食・就寝前
  • 吸収に時間がかかるので腹持ちが良い
  • ダイエットにおすすめ
ソイプロテイン 大豆(植物性タンパク質) ゆっくり 朝食・就寝前
  • 乳製品が含まれていないプロテイン
  • 大豆イソフラボンが含まれ、女性におすすめ

種類別プロテインの摂取タイミングについて、詳しく見ていきましょう。

ホエイプロテイン

牛乳由来のホエイプロテインは、摂取後速やかに体内に吸収され、筋肉合成を高める効果があるとされています。そのため、筋力トレーニングなど、運動前後に摂取すると効果が期待できるでしょう。

なお、摂取したタンパク質がどの程度体の中に取り込まれ、効率良く利用されるかを示す評価基準のことを「アミノ酸スコア」と言います。ホエイプロテインはアミノ酸スコアも高く、運動時だけでなく、日常生活のタンパク質補給としても効果的です。

しかし、牛乳由来の製品であるため、乳製品が体に合わない方は摂取を控えたほうが良いでしょう。

カゼインプロテイン

ホエイと同様、牛乳由来のカゼインプロテインは、胃内で凝集し、体内へゆっくり吸収される特徴があります。腹持ちが良く、ダイエット時の食事の補助やタンパク質補給に向いています。時間をかけて吸収されるため、就寝前に摂取することで、睡眠中に筋疲労の回復を促す効果が期待できるでしょう。

ソイプロテイン

大豆由来のソイプロテインは、吸収スピードがゆるやかで腹持ちが良いといった特徴があります。そのため、朝食や間食、就寝前のタンパク質補給に向いています。乳製品が体質に合わない人は、ソイプロテインを選ぶと良いでしょう。

ソイプロテインに含まれている大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするといわれています。そのため、骨粗しょう症や乳がんなどの予防に期待できるでしょう。一方で、過剰摂取により乳がん発症や再発のリスクを引き起こす可能性が考えられるため、摂取量には注意が必要です。

プロテイン摂取量の目安

日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、タンパク質の1日の摂取推奨量は、成人男性65g、成人女性50gです。身体活動量が多い方は、さらに摂取推奨量が多く設定されています。

タンパク質6gを含む食品の目安量を、以下の表にまとめました。

食品例 タンパク質6g分の目安量
魚介類 サケ 1/2切れ
サバ 1/2切れ
丸干し 2/3尾
めざし 3尾
サバ缶詰 1/5缶
さしみ 2切れ
肉類 牛カルビ 3枚
手羽先 1本
豚赤身肉 1枚30g
鶏ささみ肉 1枚30g
ハム 2枚
大豆・卵 納豆 1パック
1個
生揚げ 2/3枚
主食(穀類) ご飯 240g(ご飯1膳は180g)
おにぎり 1個半
ロールパン 2個
乳製品 無糖ヨーグルト 2個(160g)
牛乳 コップ1杯
スライスチーズ 2枚

1日のタンパク質摂取推奨量を食事だけでまかなうためには、上記の表の食品例から10品目ほど摂取する必要があります。不規則な生活や筋トレなどによって、タンパク質を十分摂取できていない場合、プロテインでサポートするのも1つの方法です。プロテインの摂取量について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

トレーニングで筋肉を増やしたい人

激しいトレーニングをして筋肉を増やしたい人は、体重1kg当たり1.5~2gのタンパク質を摂取するのが理想的です。例えば、体重70kg男性、女性55kgの場合、それぞれ必要なタンパク質量は以下のようになります。

  • 男性(70kg):105〜140g
  • 女性(55kg):82.5〜110g

トレーニングをする人は、比較的タンパク質含有量の多い肉や魚・卵・乳製品などを普段の食事に取り入れ、運動前後や睡眠前にプロテインを活用するのがおすすめです。

ダイエット目的でプロテインを利用する人

ダイエットを目的とする人は、体重1㎏当たり1.5gのタンパク質を摂取しましょう。例えば、体重70kg男性、女性60kgの場合、それぞれ必要なタンパク質量は以下の通りです。

  • 男性(70kg):105g
  • 女性(60kg):90g

普段の食事にプロテインを追加すると、カロリーオーバーにつながりやすくなります。カゼインプロテインやソイプロテインなら腹持ちが良く、朝食やおやつ代わりに活用できるでしょう。

健康のためにプロテインを摂取する人

健康的な食生活を送るためには、体重1kg当たり0.8gを下回らないようにタンパク質を摂取する必要があります。例えば、体重70kg男性、女性50kgの場合、それぞれ必要なタンパク質量は以下の通りです。

  • 男性(70kg):56g
  • 女性(50kg):40g

忙しくて朝食をしっかり食べられない人は、手軽に摂取できるプロテインが役立つでしょう。

プロテインを摂取する際の3つの注意点

プロテインを摂取する際の注意点は、以下の3つです。

1回の摂取量は最大20gまで

若い男性が筋トレ後に一度に多くのタンパク質を摂取しても、20g以上からは吸収効率が下がることが分かっています。プロテインを摂取する場合は、1日の推奨摂取量を守り、数回に分けてこまめに摂取することを心がけましょう。

腎臓の病気がある人は注意が必要

プロテインを摂取する場合、腎臓に病気がある、もしくは腎臓が弱い方は注意が必要です。タンパク質は体内で尿素窒素に分解され、腎臓を通って体の外へ排出されます。タンパク質を過剰に摂取すると尿素窒素も増え、腎臓にはさらに負担がかかります。腎臓が弱い方や心配な方は、医師に相談してみましょう。

乳糖不耐症の人はソイプロテインの選択がベター

乳糖不耐症や、乳製品アレルギーなどで動物性プロテインが体に合わない方は、ソイプロテインを検討してみてください。乳糖不耐症とは、乳製品に含まれる乳糖を摂取することで、下痢や嘔吐などを引き起こす病気です。大豆由来のソイプロテインは乳糖を含まないので、乳糖不耐症や乳製品が体に合わない方でも活用できるでしょう。ソイプロテインの副作用について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

自分に合ったプロテインの種類と飲むタイミングを理解しよう

プロテインは、運動後30分以内に摂取することで体づくりに役立ちます。また、運動後に限らず、朝食時や運動前、運動中、就寝前など様々なタイミングで摂取するのもおすすめです。運動しない方にとっても、健康的な生活に役立てられるでしょう。おすすめの摂取タイミングは、プロテインの種類によって異なります。種類別の特徴を把握し、目的に応じてプロテインを活用してみましょう。

本記事の監修者

医学博士・永田孝行

一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士

生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

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