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アミノ酸スコアの高い食品は?

【表付きで解説】アミノ酸スコアの高い食品は?
タンパク質に換算できる?

アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸の割合を示す指標です。アミノ酸スコアの数値が高いほど良質なタンパク質を合成しやすくなります。そのため効率的にアミノ酸を摂取したい方は、食品ごとのアミノ酸スコアを押さえておくことが大切です。とはいえ、筋トレや栄養管理をするときに、アミノ酸スコアをどのように活用すれば良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、アミノ酸スコアの概要と計算方法、タンパク質に換算できるのかをご紹介します。また、アミノ酸スコアの高い食品をわかりやすく表にまとめましたので、アミノ酸スコアを正しく理解し、より効果的な筋トレやダイエット、栄養管理につなげたい方はぜひ参考にしてください。

アミノ酸スコアとは?

アミノ酸スコアとは、どのような指標なのでしょうか。ここではアミノ酸スコアの詳細について解説します。

必須アミノ酸が含まれている割合を示す指標のこと

アミノ酸スコアとは、食品にどの程度の割合の「必須アミノ酸」が含まれているのかを示す指標のことです。アミノ酸とはタンパク質のもとであり、身体を動かす、体調を調節するなど、生きるうえでは欠かせない栄養素です。アミノ酸は、9種類の「必須アミノ酸」と11種類の「非必須アミノ酸」に分かれています。非必須アミノ酸は体内で生成が可能です。一方で、必須アミノ酸は体内で生成できないため、食事から摂取する必要があります。食品にどの程度の必須アミノ酸が含まれているのかを知るためにも、アミノ酸スコアを活用しましょう。

アミノ酸スコアが高い食品のメリットは?

アミノ酸スコアが高い食品ほど必須アミノ酸が多く含まれているため、良質なタンパク質を作れることがメリットです。アミノ酸スコアの上限である「100」に近い食品ほど、人に必要な必須アミノ酸が多く含まれています。アミノ酸スコアが高い食品には、卵や魚類、肉類などがあげられます。食事によって効率良く必須アミノ酸を摂取するには、アミノ酸スコアが高い食品を積極的に取り入れることが大切です。

食品のアミノ酸スコアが低い場合は?

食品のアミノ酸スコアが低いと、必須アミノ酸の摂取量が不十分となり、良質なタンパク質をうまく作れなくなる可能性があります。具体的な説明は後述しますが、アミノ酸スコアは9種類の必須アミノ酸のうち、含まれている量がもっとも少ない成分を基準にしています。

たとえば、必須アミノ酸のうち8種類のアミノ酸スコアが「100」で、もう1種類のスコアが「30」の食品があるとしましょう。この場合、一番低いスコアである「30」の分しか必須アミノ酸を摂取できません。アミノ酸スコアが低い食品には、うどんや食パンなどがあげられます。

良質なタンパク質を作りたい方は、アミノ酸スコアが低い食品の摂取量を減らし、スコアの高いものに入れ替えたり、スコアの高い食品を組み合わせたりして、不足している栄養を補いましょう。

【一覧表】アミノ酸スコアが高い食品

アミノ酸スコアが高い食品について、以下の表にまとめました。

食品 アミノ酸スコア 分類
鶏肉(もも 皮付き 生) 100 肉類
豚肉(ロース 脂身付き 生) 100 肉類
牛肉(もも 赤身肉 生) 100 肉類
真アジ 100 魚介類
かつお 100 魚介類
牛乳 100 乳製品
ヨーグルト 100 乳製品
チーズ 100 乳製品
鶏卵(全卵 生) 100
大豆 100 豆類
豆腐 100 豆類
ジャガイモ 100 野菜類
かぼちゃ 100 野菜類
ブロッコリー 100 野菜類
にんじん(皮付き 生) 100 野菜類
大豆もやし 100 野菜類
玄米 100 穀類
バナナ 100 果実類
いちご 100 果実類
りんご 100 果実類

このように、アミノ酸スコアが「100」の食品はたくさんあります。野菜や果物類にもスコアの高い食品があるので、副菜やデザートとして料理に積極的に取り入れるのもおすすめです。アミノ酸スコアの一覧表を参考にして、必須アミノ酸を効率的に取り入れてみてください。

アミノ酸スコアの計算方法

アミノ酸スコアは、どのような計算で算出されるのでしょうか。ここではアミノ酸スコアの具体的な計算方法について解説します。

アミノ酸スコアの計算で使用される式

アミノ酸スコアは、以下の計算式で算出されています。

アミノ酸スコア=食品中の第一制限アミノ酸量(mg)÷ 第一制限アミノ酸量の評点パターン(mg)× 100

「第一制限アミノ酸」とは、スコアを計算する際、9種類の必須アミノ酸のうちでもっとも割合が少ないアミノ酸です。「評点パターン」とは、必須アミノ酸ごとの理想的な基準値のことで、FAO(国連食糧農業機関)やWHO(世界保健機関)、UNU(国連大学)によって数値が定められています。

それぞれの必須アミノ酸の評点パターン(18歳以上)は以下の通りです。

成分 mg
イソロイシン 30
ロイシン 59
リシン(リジン) 45
含硫アミノ酸(合計) 22
芳香族アミノ酸(合計) 38
トレオニン(スレオニン) 23
トリプトファン 6.0
バリン 39
ヒスチジン 15

アミノ酸スコアの計算例

続いてアミノ酸スコアの計算方法の例についてみていきましょう。「精白米(うるち米)」を例にした場合、必須アミノ酸とアミノ酸スコアは以下の通りです。

成分 mg アミノ酸スコア
(※小数点切り上げ)
イソロイシン 47 100
ロイシン 96 100
リシン(リジン) 42 93
含硫アミノ酸(合計) 55 100
芳香族アミノ酸(合計) 110 100
トレオニン(スレオニン) 44 100
トリプトファン 16 100
バリン 69 100
ヒスチジン 31 100

各成分をアミノ酸スコアの計算方法に当てはめると、第一制限アミノ酸となるのが「リジン(リシン)」であることがわかります。そのため、精白米(うるち米)のアミノ酸スコアは「93」となります。

タンパク質の量はアミノ酸スコアに換算できる?

アミノ酸スコアは「その食品に必須アミノ酸が含まれている割合」を示すものであり、タンパク質の量に関係した数値ではありません。そのため、タンパク質の量をアミノ酸スコアに換算できるわけではない点に注意しましょう。

普段の食事でアミノ酸スコアが高い食品を取り入れていたとしても、タンパク質の量が不足することもあります。年齢や体重によっても変動しますが、1日に必要なタンパク質の量は約50〜60gが目安だといわれています。参考として、豚肉100gあたりのタンパク質は約20g、豆腐100gあたりのタンパク質は約7gです。このことから、アミノ酸スコアだけに注目するのではなく、1日に必要なたんぱく質の量も意識することが大切だといえるでしょう。

まとめ

アミノ酸スコアは必須アミノ酸の割合を示すもので、この数値が高いほど良質なタンパク質を作れます。食品に含まれる必須アミノ酸のうちの1つが低いスコアだと、その数値がアミノ酸スコアの基準になる点に注意が必要です。筋トレや栄養管理をしている方は、アミノ酸スコアの高い食品を積極的に取り入れていきましょう。

本記事の監修者

医学博士・永田孝行

一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士

生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

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