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タンパク質100gは
どのくらい?

タンパク質100gはどのくらい?
食材別の含有量・摂り過ぎや不足によるリスクを解説

筋トレや運動などを行う際、1日にタンパク質を100g摂取できるように食生活を工夫するのが理想だとされています。とはいえ、タンパク質100gを摂るには、どのくらいの食材が必要なのか、よく分からない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、1日に必要なタンパク質の量、食材別のタンパク質含有量、100gを目安とした場合の食材の量を解説します。タンパク質の摂り過ぎや不足によるリスクもお伝えするので、健康的な生活や体づくりの参考にしてください。

1日に必要なタンパク質の量は?

1日に必要なタンパク質の量は、年齢や性別、1日の摂取カロリーや活動量によって異なります。それぞれみていきましょう。

タンパク質の目標量は1日の摂取カロリーの13〜20%

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」では、1日の総摂取カロリーに対するタンパク質の目標量を以下のように設定しています。

年齢・性別 総摂取カロリーに対するタンパク質の割合
(タンパク質の目標量)
18~49歳男女および妊婦(中期) 13~20%
50~64歳男女 14~20%

1日に必要とされる総摂取カロリーは、一般男性で1日2,650kcal、女性では2,000kcalです。目標とすべきタンパク質のカロリーと量は以下の通りとなります。

身体活動レベルⅡ 1日の摂取カロリー タンパク質のカロリー タンパク質の目標量
男性 2,650kcal 345~530kcal 86~132g
女性 2,000kcal 260~400kcal 65~100g

ただし上記は、身体活動レベル「ふつう(Ⅱ)」に該当する「座位中心の仕事だが職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツのいずれかを含む場合」です。

1日のタンパク質の推奨量と目標量

タンパク質は摂り過ぎても、不足しても健康への影響が考えられます。厚生労働省ではタンパク質の「推奨量」を以下のように定めています。

【年齢別タンパク質の推奨量と目標量】

身体活動レベルⅡ 男性 女性
年齢 推奨量 目標量 推奨量 目標量
18~29歳 65g 86~133g 50g 65~100g
30~49歳 65g 88~135g 50g 67~103g
50~64歳 65g 91~130g 50g 68~98g
65~74歳 60g 90~120g 50g 69~93g
75歳以上 60g 79~105g 50g 62~83g

上記の表から、個人差はありますが、一般成人男性・女性のタンパク質の摂取目標量はおよそ100gであることが分かります。

食材別タンパク質の含有量

タンパク質は、さまざまな食材に含まれています。代表的な食材は肉類、魚介類、豆類、乳類です。成分量100gあたりのタンパク質の含有量と、100g摂取するために必要な量を食材別に紹介します。

肉類のタンパク質

主な肉類のタンパク質含有量と、100g摂取するための必要量は以下の通りです。

食材 タンパク質の含有量
(100gあたり)
タンパク質100gの
摂取に必要な量
ぶた・ヒレ(焼き) 39.3g 254g
若どり・むね・皮なし(焼き) 38.8g 257g
若どり・ささみ(ソテー) 36.1g 277g
ぶた・ロース・脂身つき(焼き) 26.7g 374g
和牛・もも・皮下脂肪なし(焼き) 27.7g 361g

皮や脂身のないものがタンパク質を多く含む傾向にあります。

魚介類のタンパク質

主な魚介類のタンパク質含有量と、100g摂取するための必要量は以下の通りです。

食材 タンパク質の含有量
(100gあたり)
タンパク質100gの
摂取に必要な量
いか・たこ類・さきいか 45.5g 220g
いわし類・まいわし(丸干し) 32.8g 304g
いわし類・しらす干し(半乾燥品) 40.5g 247g
ごまさば(焼き) 31.1g 322g
くろまぐろ・天然・赤身(生) 26.4g 378g

魚介類にもタンパク質が含まれており、とくに青魚は体に良いとされる脂も含まれているためおすすめです。

豆類のタンパク質

主な豆類のタンパク質含有量と、100g摂取するための必要量は以下の通りです。

食材 タンパク質の含有量
(100gあたり)
タンパク質100gの
摂取に必要な量
きな粉・黄大豆・脱皮大豆 37.5g 267g
油揚げ・油抜き(焼き) 24.9g 400g
蒸し大豆・黄大豆 16.6g 602g
糸引き納豆 16.5g 606g
(1パック40g換算で15パック)
ひよこまめ(ゆで) 9.5g 1,052g
あずき(ゆで) 8.6g 1,162g
豆腐・木綿豆腐 7.0g 1,429g
(1パック300g換算で約5パック)

豆類のうち、主に大豆の加工食品にはタンパク質が豊富に含まれます。タンパク質を100g摂取するには相当な量が必要となるため、肉類や魚介類とバランス良く摂取することが大切です。

卵類・乳類のタンパク質

卵類・乳類のタンパク質含有量と、100g摂取するための必要量は以下の通りです。

食材 タンパク質の含有量
(100gあたり)
タンパク質100gの
摂取に必要な量
全卵 14.8g 675g
(Mサイズで11個)
プロセスチーズ 22.7g 440g
(キューブ型チーズ32個)
カマンベールチーズ 19.1g 524g
(一般的なカマンベールチーズで6個)
ヨーグルト(脱脂加糖) 4.3g 2,325g
(400gパック換算で6個)
牛乳 3.3g 3,030g
(1Lパック換算で3パック)

タンパク質の摂取量を増やすためには、他の食材と合わせて摂取する必要があります。

タンパク質を100g摂取するためのメニュー

タンパク質を1日で100g摂取するためのメニュー例をご紹介します。

メニュー タンパク質量 カロリー
朝食 ご飯1杯(180g) 4.5g 281kcal
納豆(45g) 7.4g 86kcal
目玉焼き(卵Mサイズ) 6.3g 91kcal
ほうれん草のお浸し(70g) 3.3g 23kcal
豆腐とわかめの味噌汁 3.7g 44kcal
25.2g 525kcal
昼食 チキンカレーライス(ご飯200g) 20.2g 604kcal
野菜サラダ・ツナ・フレンチドレッシング 4.9g 123kcal
ヨーグルト加糖(100g) 4.3g 65kcal
29.4g 792kcal
夕食 ご飯1杯(180g) 4.5g 281kcal
鮭ときのこのホイル焼(しょうゆ・マヨネーズ) 20.1g 251kcal
厚揚げの味噌汁 8.4g 111kcal
ブロッコリーのごま和え 4.6g 59kcal
プロセスチーズ(20g) 4.5g 63kcal
42.1g 765kcal
1日合計 96.7g 2,082kcal

タンパク質の摂り過ぎで考えられるリスク

タンパク質は筋肉や内臓、皮膚や毛髪、爪など体を構成する成分であり、酵素やホルモンなど体を調節する成分としても重要です。ただし、摂り過ぎによって、以下のようなリスクを引き起こす可能性があります。それぞれみていきましょう。

腎臓に負担がかかるリスク

タンパク質を摂り過ぎると、腎臓の負担となる可能性があります。タンパク質を体内で分解する過程で余分な負担がかかってしまい、腎臓を疲れさせてしまうためです。特に、慢性的に腎機能が低下している方や高齢者は注意が必要です。目標量の上限以上にならないよう注意しましょう。

カロリー過多になる可能性

タンパク質の摂り過ぎは、カロリー過多となる可能性があります。例えば、コップ1杯の牛乳を飲んだ場合、タンパク質は6.6g摂れますが、122kcalを摂取することになります。普段の食事にタンパク質を追加しようとすると、カロリーオーバーになる可能性があるため注意が必要です。

タンパク質の不足で考えられるリスク

タンパク質の不足が続くと、肌や髪のトラブルや、基礎代謝の低下などにつながる可能性があります。それぞれ解説します。

肌・髪のトラブルにつながるリスク

タンパク質が不足すると、肌のターンオーバーが正常に行われなくなり、肌荒れやくすみを引き起こす可能性があります。タンパク質はコラーゲンの生成に関わる成分でもあるため、肌のハリやツヤを低下させる可能性も考えられるでしょう。髪の健康にも欠かせない成分であり、不足するとパサつきや抜け毛につながりやすくなります。

基礎代謝低下の可能性

筋肉の構成成分であるタンパク質が不足すると、筋肉量が減少し、基礎代謝の低下につながる可能性があります。基礎代謝量が低下すると、エネルギーを体に蓄えておこうとする働きが強まり、痩せにくい体質になる可能性も考えられるでしょう。

体調を崩しやすくなる可能性

タンパク質が不足すると、体を守るための機能が低下し、体調を崩しやすくなります。

さらに高齢者では「サルコペニア」や「フレイル」のリスクがあります。サルコペニアとは筋肉の量が減少していく老化現象のことです。進行すると立ち上がりや歩行に影響を及ぼし、歩行困難につながる可能性が高くなります。

フレイルとは、加齢とともに運動機能や認知機能が低下した「虚弱」な状態を言います。要介護になる原因でもあるため、注意しなければなりません。

タンパク質不足はプロテインで調整できる

タンパク質はすべての方に大切な栄養素であり、スポーツやダイエットをしている場合は十分に摂取したい栄養素です。しかし、仕事や家事が忙しいと、調理の手間をかけられない場合もあるでしょう。不足が気になるときはプロテインで調整してみるのも選択肢の1つです。

プロテインは飲み物に混ぜたり、料理に加えたりして活用できます。水や牛乳、豆乳に混ぜると手軽に飲めます。ドレッシングに加えたり、スープに入れたりとアレンジも楽しめるでしょう。

食事でのタンパク質摂取と合わせてプロテインを利用しよう

タンパク質摂取の目標量を100gとする場合、タンパク質を豊富に含む食材を選び、バランス良く摂取する必要があります。しかし、食事からのみ摂取しようとすると、目標量の達成は難しい場合もあるでしょう。

効率的にタンパク質を摂取するには、プロテインを活用するのも1つの方法です。毎日の生活にプロテインを取り入れ、健康的な生活や美容にお役立てください。

本記事の監修者

医学博士・永田孝行

一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士

生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。

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