クレアチンを
多く含む食品は?
クレアチンを多く含む食品は?
筋トレ・健康への効果や副作用についても解説
筋トレやダイエットをサポートする成分として注目されている「クレアチン」。自分自身や家族の健康のために取り入れてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はクレアチンを摂取することによる効果や、おすすめの食品について詳しく紹介します。クレアチンをより効率的に摂取する方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
クレアチンとは?
クレアチンは、肉や魚などのタンパク質に含まれるアミノ酸の一種です。クレアチンは体内で合成できる成分で、グリシン、アルギニン、メチオニンの3種類のアミノ酸から毎日1~2g作られています。合成されたクレアチンは筋肉中で「クレアチンリン酸」に変換され、筋肉のエネルギー源として使用されます。
クレアチンの効果

クレアチンの効果には、主に次のようなものが挙げられます。
- 運動のパフォーマンス向上
- 筋肉量の増加
- 脳の健康維持
それぞれの効果について詳しくみていきましょう。
運動のパフォーマンス向上
クレアチンは筋収縮の際のエネルギー供給に役立つため、短距離走や筋トレといった強度の高い運動のパフォーマンス向上に役立ちます。クレアチンには運動後の筋回復を促進する働きもあるため、アスリートの方や普段から運動習慣がある方は積極的に摂るべき成分だといえるでしょう。
筋肉量の増加
クレアチン自体が筋肉を増やすわけではありませんが、筋肉へのエネルギー供給を促進することで高強度の運動を継続できるようになります。負荷の大きい運動の繰り返しにより、結果的に筋肉量を増やすことにつながります。筋肉量が増えれば、代謝が上がることで痩せやすくなる働きも期待できるため、ダイエットのために運動をしている方にも役立つでしょう。
脳の健康維持
運動パフォーマンスの向上や筋肉量の増加以外にも、クレアチンには「脳の健康」をサポートする作用があることがわかってきました。具体的には研究により、精神的な疲労や睡眠不足といったストレス下での認識機能を改善する働きが示唆されています。また、体内でクレアチンが不足すると知的能力障害や発達障害などの症状をきたす可能性があるともいわれています。クレアチンはアスリートや運動習慣がある方だけでなく、一般の方の健康維持にも重要な役割を果たす成分だといえるでしょう。
クレアチンの摂取推奨量
普段からあまり運動をしない方は1日3g程度、運動習慣がある方は1日5g程度を目安に摂取しましょう。運動習慣がない方の場合、肉や魚などのクレアチンが含まれる食材を普段の食生活で摂っていれば、基本的に不足することはありません。ただし、負荷が高い運動を日常的におこなう方は、高いパフォーマンスを発揮するためにもクレアチニンの補充が必要になります。体内のクレアチン量を効率的に増やしたい方には「クレアチンローディング」と呼ばれる方法がおすすめです。
クレアチンローディングでは、1日に体重1kgあたり0.3gのクレアチン(体重65kgの方であれば約20g)を7日間継続して摂取し、そのあとは1日あたり3~5gを目安に摂取します。
クレアチンローディングをおこなえば、多い場合には骨格筋のクレアチン含有量が40%増加するという結果も出ているため、運動のパフォーマンスをより高めたい場合に計画的に取り入れてみると良いでしょう。
クレアチンを多く含む食品
クレアチンは、肉や魚をはじめとする動物性食品から摂取できます。クレアチンを多く含む食品と、食品100gあたりのクレアチン含有量は次の表のとおりです。
食品名 | 食品100gあたりのクレアチン含有量 |
---|---|
ニシン | 0.65~1.0g |
サーモン | 0.4g |
マグロ | 0.4g |
タラ | 0.3g |
豚肉 | 0.5g |
牛肉 | 0.45g |
肉や魚には筋肉の材料であるタンパク質も豊富に含まれるため、運動習慣がある方はとくに、普段の食事に意識して取り入れてみましょう。
食材のクレアチン量を保つには?

食材のクレアチン量は加熱すると減少するため、クレアチンを多く含む食品は生の状態で摂取することがおすすめです。しかし、鶏肉や豚肉など、自宅での生肉調理は危険なので控えましょう。肉類はきちんと火を通して摂取し、生の食材としては刺身用のサーモンやマグロなどを取り入れてみてください。ただし、健康や運動パフォーマンスの向上には様々な栄養素をバランス良く摂ることが大切です。クレアチンの摂取量を増やすために、極端に肉や魚に偏った食事にはならないように注意しましょう。
クレアチンはサプリメントで補うのがおすすめ
クレアチンは肉や魚などの食品から摂取できますが、必要量を確保するためには大量に食べなくてはなりません。たとえば、クレアチンを1日5g摂取したい場合、豚肉だと1日1kg程度摂取する必要があります。そのため、クレアチンを毎日効率良く摂取するためには、食生活の工夫に加えてサプリメントの活用もおすすめです。
サプリメントの取り入れ方
クレアチンのサプリメントには、タブレットタイプやカプセルタイプ、プロテインのようなパウダータイプなどがあります。サプリメントは携帯にも便利なので、出先や運動前にも手軽にクレアチンを補給できるでしょう。
たとえば、パウダードリンクタイプであれば、運動前に水に溶かして飲んだり、朝食時にヨーグルトにかけたりと手軽に摂取できます。
クレアチンのサプリメントを摂取する際の注意点
クレアチンのサプリメントに関しては、長期投与による悪影響はほとんど報告されていませんが、腎機能が低下している方は注意が必要です。摂取したクレアチンは体内で代謝されて腎臓から排泄されるため、サプリメントを摂取すると腎臓に負担がかる場合があるためです。とくに高齢者や腎臓疾患をもっている方はもともと腎機能が低下しているので、使用前にかかりつけ医に相談しましょう。
クレアチンとあわせて摂取したい栄養素
(グルコース(ブドウ糖))

クレアチンは、ブドウ糖と一緒に摂取すると体内への吸収率が高まるとされています。ブドウ糖を摂取すると血糖値が上がり、クレアチンの吸収を促進するインスリンが分泌されるためです。ブドウ糖は米やパンなどの穀類やイモ類、果物などに多く含まれています。
クレアチンの吸収率を高めるために、普段の食事とあわせてデザートに果物やサツマイモなどを取り入れてみても良いでしょう。
クレアチンは肉や魚などの動物性食品に豊富
肉や魚などの動物性食品に豊富なクレアチンには、主に運動中のエネルギー産生のサポートや、筋肉を増やす作用などが期待できます。加えて、近年では脳の機能を維持する働きも明らかになっていることから、運動習慣があまりない一般の方にとっても摂取すべき成分だといえるでしょう。ただ、食品だけではクレアチンを効率的に摂取しにくいため、普段の食事の補助としてサプリメントを活用してみることもおすすめです。
本記事の監修者

医学博士・永田孝行
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会理事長
健康運動指導士
生活習慣病予防と改善の為の食事療法としてGI値に着目し、低インシュリンダイエットを提唱。
主な活動として、各健康保険組合・企業・各都道府県での講演活動、雑誌の指導・監修、テレビ、ラジオ、新聞などの取材も多数受けている。
一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会
公式ホームページ:https://jdsa.co.jp/